伊達市カムイタプコプ下遺跡の発掘調査を実施した結果、チセ(アイヌ民族の住居)は8×6m規模であることや、他の炉跡と合わせて15世紀後半から17世紀まで複数の住居が存在していたことが判明した。また、花粉分析の結果、遺跡周辺は乾燥した草地であったことや寒冷環境を示唆するデータが得られ、さらに貝塚のアサリを使って、微細成長縞と酸素同位体の分析を行った結果、1640年~1663年は現在より貝類の成長速度が遅く、夏が短く低海水温だった可能性が高いことが示された。以上のことから小氷期最寒冷期とされる17世紀は北海道でも厳寒で、人々は今よりも寒冷な環境に適応して生き抜いていたことが推定された。
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