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2012 年度 実績報告書

近畿地域における弥生時代の鎔銅技術の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23720394
研究機関奈良県立橿原考古学研究所

研究代表者

北井 利幸  奈良県立橿原考古学研究所, 学芸課, 主任学芸員 (70470284)

キーワード青銅器鋳造技術 / 弥生時代 / 近畿地域 / 据え付け炉 / 取瓶 / 坩堝 / 高坏状土製品 / 鎔銅技術の変化
研究概要

近畿地域における弥生時代の鎔銅技術を明らかにすることを目的とし、近畿地域を中心とした青銅器生産遺跡から出土する金属成分付着被熱砂を比較検討し、その性格を明らかにし、併せて金属成分付着被熱砂に関連する高坏状土製品の使用方法について検討するものである。これら資料の使用方法を検討することは近畿地域とその周辺部における弥生時代の青銅器鋳造技術の一端を明らかにすることへとつながる。
平成24年度は23年度の成果を踏まえ、弥生時代の鎔銅技術の変遷について検討した。前年度の成果とは、近畿各地の青銅器生産遺跡から出土する高坏状土製品と金属成分付着被熱砂の検討から弥生時代の鎔銅方法が据え付け炉と高坏状土製品(取瓶)を使用するものから、据え付け炉を使用しないで高坏状土製品を坩堝兼取瓶に利用するよう変化したと指摘したことである。この成果を踏まえ、弥生時代前期から後期、古墳時代初頭にかけての社会変化と青銅器生産の変遷について発表し、論文にまとめた。また関連資料集成を作成した。
弥生時代の鎔銅技術の変遷はこれまで漠然と捉えられており、実態が不明であったが東奈良遺跡での取瓶に使用された高坏状土製品の確認は弥生時代中期における据え付け炉を使用した鎔銅方法が拠点集落内で行われていたことを示している。これにより弥生時代の鎔銅技術は据え付け炉と高坏状土製品(取瓶)を使用したものから高坏状土製品を坩堝と取瓶に兼用したものへと変遷していくことを明らかにすることができた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 2・3世紀の金属器生産2012

    • 著者名/発表者名
      北井利幸
    • 雑誌名

      『三国志の時代-2・3世紀の東アジア-』(奈良県立橿原考古学研究所附属博物館特別展図録)

      巻: 第77冊 ページ: 80-81

  • [雑誌論文] 弥生時代の鎔銅技術の検討-大阪府茨木市東奈良遺跡の再検討を中心に-2012

    • 著者名/発表者名
      北井利幸
    • 雑誌名

      アジア鋳造技術史学会研究発表概要集

      巻: 第6号 ページ: 85-86

  • [学会発表] 弥生時代の鎔銅技術の検討-大阪府茨木市東奈良遺跡の再検討を中心に-2012

    • 著者名/発表者名
      北井利幸
    • 学会等名
      アジア鋳造技術史学会
    • 発表場所
      愛媛大学
    • 年月日
      20120825-20120826
  • [学会発表] 2・3世紀の金属器生産

    • 著者名/発表者名
      北井利幸
    • 学会等名
      奈良県立橿原考古学研究所附属博物館特別展研究講座
    • 発表場所
      奈良県立橿原考古学研究所
  • [学会発表] 西日本における弥生時代集落遺跡の近年の動向について

    • 著者名/発表者名
      北井利幸
    • 学会等名
      東北アジア古代集落都城考古国際学術シンポジウム
    • 発表場所
      中国人民大学
    • 招待講演
  • [図書] 近畿地域における鎔銅技術の基礎的研究2012

    • 著者名/発表者名
      北井利幸
    • 総ページ数
      16
    • 出版者
      橋本印刷

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公開日: 2014-07-24  

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