近年の中国における賃金水準の上昇により、同国に進出した外資系企業や地場企業を取り巻く立地条件がどのように変化したのかという点や、それにともなう企業の立地動向の変容について、いくつかの代表的な企業や地域を事例として実証的な分析を行った。結論として、対象企業の中には撤退や移転、業務内容を変更したもの等も見られたが、日系企業では、管理職人材を現地化すること等でコスト削減と売上拡大を図っている企業もあった。また中国資本の民営自動車メーカーでは、高付加価値な高級車の開発・生産に乗り出し、産業高度化に取り組む企業もあったものの、現状では十分な成果を上げてはいないため今後の動向を検討する必要がある。
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