本研究は、存亡の危機にある北海道の鍛冶屋の現状把握に努め、北海道内の128市町村の計69軒の鍛冶屋および鍛冶屋経験者、鍛冶屋関係者等から情報を収集することができた。 この結果、北海道の鍛冶屋は、「インターフェイス」として多様な鉄製品とこの地に暮らす人びとをつなぎ、彼らの身体や能力を拡張させることで北海道という厳しい環境への適応を支えるとともに、その開拓、および農林水産業の発達において重要な役割を担ってきたことが明らかになった。そして、彼らは、人とものをつなぐ「インターフェイス」としての役割を担い続けることを重視し、地域の需要の変化に応じて姿を変化することによって生き残ってきたことがわかった。
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