研究課題/領域番号 |
23720422
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
石森 大知 武蔵大学, 社会学部, 准教授 (90594804)
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キーワード | 文化人類学 / 紛争 / 公共宗教 / 社会関係資本 / ソロモン諸島 |
研究概要 |
はじめに、前年度にソロモン諸島および米国ハワイ大学で収集した資料の整理・分析を進め、現状において不十分な資料やより深く収集する必要がある資料をあぶり出すことで、本年度に実施するフィールドワークの準備をおこなった。それとあわせて、公共宗教論およびポスト世俗化論等に関する宗教学・宗教社会学の先行研究を批判的に検討し、それを踏まえて現状で一定の成果となっている部分について学術論文の執筆をおこなった。また、さらに研究・調査をおこなう必要がある部分については研究構想の具体化を進めた。その後、ソロモン諸島のガダルカナル島およびマライタ島において約2週間のフィールドワークを実施した。ガダルカナル島では、ソロモン諸島国立博物館において当地の研究者との意見交換をはかるとともに、同博物館所蔵の文献資料を収集した。また、マライタ島では前年度に実施したコミュニティの基礎的な情報(親族関係や生活様式の実態)のアップデートおよび継続調査を実施すると同時に、引き続きコミュニティのガヴァナンス強化および紛争復興に向けての宗教アソシエーションの取り組みについて資料を収集した。そのさいに、いくつかの具体的事例を得ることができ、実際にコミュニティにおいて何らかのイベントが起こったとき、宗教アソシエーションがどのように機能するのか、そしてそれが既存の血縁的・地縁的なアソシエーションとは何が異なるのかが明らかとなってきた。こうした事例をさらに幅広く収集し、精緻な分析をおこなうことで、本研究課題であるソロモン諸島の紛争復興と公共宗教の関係性をより深い位相で捉えることが可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した「研究の目的」「研究実施計画」の通りに、文献研究およびソロモン諸島における資料の収集・分析が進んでおり、ほぼ当初の計画に沿う形で研究が進行しているため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに実施した調査・研究において収集した各種資料の整理・考察をおこなうと同時に、研究成果を積極的に公表するため、学術論文の執筆および学会発表の準備を計画的に進める。そして最終的な研究成果をまとめるうえで不可欠な資料や情報がある場合、ソロモン諸島および米国ハワイ大学等をはじめ国内外において補足資料の収集を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
これまでに収集した資料を整理および管理するために必要となる物品の購入のほか、学会等における研究成果の公表および研究成果をまとめるうえで不可欠な資料を収集することを目的とした国内外の出張旅費を執行する予定である。
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