研究課題/領域番号 |
23720426
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木村 自 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (10390717)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 中国雲南省 / 上ビルマ(上ミャンマー) / 国境域 / 民族景観 |
研究概要 |
中国ビルマの国境周辺域における人口流動、および人口流動にともなう社会文化的変容に関する歴史的状況を調査・分析するため、2011年9月11日から9月25日まで、イギリス・ロンドンの大英図書館において、英領植民地期における上ビルマに関する史料の収集を行った。その結果、同地域・同時期における上ビルマの華僑。華人の実態について、興味深い文書を収集することができた。とくに、従来私が行ってきた上ビルマの中国系ムスリムと、英国植民地政府との間において、国境画定と国境観念の同定に関する重要な一次史料を見つけることができた。大英博物館において収集した史料の分析については、平成24年度に行うことになる。また、境界域の文化形成に関する書籍をまとめて購入した。また同時に、同地域の人口流動と衛生観念の変容・現状に関する調査データの収集、およびその発表のため、研究協力者のカルビン・デ・ロス・レイエスをミャンマーに派遣し調査を行うとともに、アメリカ合衆国・ワシントンで行われた学会において研究発表を依頼した。同氏の調査・研究発表を通じて、本研究プロジェクトの研究が進める境界域の文化変容というテーマについて、身体と疾病の管理というより根源的なテーマにつながる議論を期待することができる。加えて私は、平成23年度において本研究と密接に関係する研究成果として、3件の分担執筆論文と4件の国際学会報告を行った。平成23年度の研究成果をステップとして、平成24年度には中国雲南省瑞麗市におけるビルマ人移民について本調査を行う。また、ビルマの対中国交易拠点都市においても、中国ビルマ間を往還する移民について、本調査を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画どおりに研究が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
フィールド調査を中心に、文献資料や文書館における史料の記述を組み合わせて、国境域の社会・文化の変容について跡付ける。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度から中国雲南省瑞麗市および上ビルマの商業都市において本調査が始まることから、研究費の多くは旅費および研究協力者への謝金として使用する。今年度は会での研究発表を計画しておらず、旅費は基本的に調査費に充当される予定である。また、引き続き世界の国境域の経済・政治状況、文化・社会の変容に関する書籍を購入するが、平成23年度にすでに多くを購入済みであることから、今年度の消耗品への支出は大幅に削減されるものとおもわれる。
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