本科研プロジェクトでは、中国とビルマ国境間の人口流動が、国境都市・村落の人口構成と社会文化をいかに変えたのかという点について調査研究した。人口構成を民族景観として、社会変化を国境域文化の創造と定義して、中国ビルマ国境都市である瑞麗を対象に、文献調査および現地調査を行った。その結果、主に次の点についての知見が得られた。 (1)瑞麗は国境交易の中心として発展しているとともに、国境を挟んだ地域の人々が比較的自由に国境を往来することができるため、国境による国民管理をすり抜けるような民族景観が見られる。(2)そうした民族景観は、ビルマ難民のカチン人やロヒンギャ、華僑など境界領域にある人々が参集している。
|