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2013 年度 実績報告書

伝承技術の歴史・民俗学的研究―採石技術の究明と記録保存―

研究課題

研究課題/領域番号 23720437
研究機関国立歴史民俗博物館

研究代表者

松田 睦彦  国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 助教 (40554415)

キーワード花崗岩 / 伝統技術 / 映像
研究概要

本年度の研究実施計画は①前年度に撮影した映像を整理し資料化すること②国立歴史民俗博物館で7月に開催予定の企画展示「時代を作った技―中世の生産革命―」に向けて展示用映像の作成を進めること③前年度に引き続き、石材採掘業者からの技術および用具の使用に関する調査を行なうこと④前年度に引き続き、花崗岩採掘技術との比較のために花崗岩以外の石材採掘技術およびその使用例について調査を行なうこと、であった。
これに対し、本年度の成果は次のとおりである。①については撮影した映像を収めたDVテープおよびDVDを館蔵資料として収蔵し資料化した。②については、展示用映像の作成については昨年度のうちに終了した。本年度は展示用映像を企画展示において上映し、中世から近世初頭における石材採掘技術についての来館者の理解を助けることができた。③については愛媛県今治市宮窪町における調査を継続的に行なった。④については静岡県熱海市・高知城・岐阜城山麓城主居館跡等の調査を行なった。
次に研究期間全体を通じて実施した研究の成果をあげる。まず、基礎的かつ最大の成果は機械化以前の花崗岩採掘技術の全体像が把握されたことである。特に現代の花崗岩採掘現場の観察や職人からの聞き取りをとおして、花崗岩特有の異方性を読み取り、それに応じて矢を打ち込むという花崗岩採掘の基本的技術が提示され、そのことが考古学における従来の花崗岩採掘技術研究の見直しにつながっているという点を強調したい。
さらに、こうした調査の成果は民俗研究映像「石を切る―花崗岩採掘の伝統と革新―」、企画展示「時代を作った技―中世の生産革命―」、論文「石屋の祀る山の神・再考―祭祀の実態と篤い信仰への疑問―」等に反映されている。
なお、今後は花崗岩と同様に硬質の岩石であり、花崗岩と類似する技術で採掘される安山岩についての調査を進め、その技術の異同について明らかにしたいと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 石屋の祀る山の神・再考―祭祀の実態と篤い信仰への疑問2014

    • 著者名/発表者名
      松田睦彦
    • 雑誌名

      国立歴史民俗博物館研究報告

      巻: 183 ページ: 182-207

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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