機械化以前の花崗岩採掘技術について、その一連の工程を明らかにした。とくに、現在の花崗岩採掘現場の観察や職人への聞き取り調査から、花崗岩の異方性を読み取り、それに応じて打ち込む矢の大きさや間隔を調整する伝統的な技術が明らかとなったが、現代にまで伝承されるこうした技術の分析が、考古学における従来の花崗岩採掘技術研究の再検討をうながしたことは重要な成果である。 なお、本研究の成果は代表者が所属する国立歴史民俗博物館の民俗研究映像「石を切る―花崗岩採掘の伝統と革新―」、企画展示「時代を作った技―中世の生産革命―」、および論文「石屋の祀る山の神・再考―祭祀の実態と篤い信仰への疑問―」として公開した。
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