研究課題/領域番号 |
23730004
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
田中 亜紀子 三重大学, 人文学部, 准教授 (90437096)
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キーワード | 法曹史 |
研究概要 |
本年度は一時中断後2月より作業を再開した。再開後の二ヶ月間における作業実施状況は以下の通りである。 本研究の目的は、大正期の『官員録・職員録集成』に収録されている、大正期の司法省ならびに裁判所職員のデータベースを完成させた上で、当該データベースの分析を行うこと、同時に大正期における法曹に関する新聞史料や回顧録を合わせて分析することを通じて、大正期における法曹(特に裁判官および検察官)の動態を明らかにするものである。 したがって、本研究においては分析の前段階として、データ入力を完成させる必要がある。データ入力については、研究の一年目において対象資料の複写作業を終え、入力作業が70%終了していたことから、二年目である本年度はデータ入力を再開するとともに、入力済みデータについてはその内容について適宜確認するという作業に着手した。現在入力作業については90%終了、確認作業については20%終了している。この他、資料収集に関しては、前年度に引き続き、大正期の「法律時報」の文献確認ならびに戦前の法曹に関する回顧録の収集を行った。 本研究については、事業期間の延長が認められたため、研究のとりまとめ期となる三年目においては、データ作業の完了しデータベースとしての公開できるよう整理を行うとともに、得られたデータの分析を通じて、目的としている大正期の司法官および裁判所職員の実態の解明を試み、その成果を公開する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
産前産後の休暇および育児休業の取得により休職期間が半年程度あること、また復職後の業務の調整に手間取ったため、本年度中の研究再開が遅れたため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度前半期において現在未だ入力できていないデータ入力の完了そして当該データの確認作業を完了させる。本研究はデータベースの作成が作業の大半を占めるため、これらの入力および確認作業にある程度時間をかける必要がある。その後、データベースの公開に向けての整理作業および当該データならびに資料の分析作業に着手する。 これらの作業ならびに分析の総括を後半期に行い、本年度中に学内紀要等への論文等の形式で研究成果を公開すべく準備に着手する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
前半期については、データの入力・確認作業にアルバイトの協力を予定しているため、アルバイトの人件費にある程度使用することを予定している。また、データの最終確認時にはパソコンの画面ではなくプリントアウトした上で確認することが必要である他、大正期の法曹に関する新聞記事の複写を予定しているため、紙媒体に関する支出が考えられる。 後半期については、分析作業に着手した後には、分析上のアドバイスを得るため、研究上の意見交換のため、大阪大学を中心とする研究会への参加を予定しているため、それにともなう旅費が、そして研究のとりまとめの一貫としてデータベースの公開を予定しているため、整理作業に関してはハードディスクなどのメディアへの出費が必要であると考えられる。
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