第一に、当為言明一般について、認知主義に基盤を置く型の混合的表出主義としての実在論的表出主義の説得性を擁護した。第二に、法的言明の意味論について、命令法の意味論的内容としての命法規範についての言明とする、実在論的表出主義による説明を与えた。第三に、ロナルド・ドゥウォーキンが法実証主義に対して提出してきた「理論的不同意問題」が、ハートの法実証主義の非認知主義に基盤を置く型の混合的表出主義の意味論的問題そのものであることを明らかにし、実在論的表出主義がこの問題を回避するための有力な理論的選択肢であることを明らかにした。
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