本研究の目的は、これまで明らかでなかった行政裁判所の実態を、関係者の未公刊資料なども利用しながら明らかにし、わが国の行政救済法制の展開における意義を明らかにすることである。 上記の研究目的に基づき、平成24年度は、(1)行政裁判所関係者に関する資料調査、(2)植民地の行政救済制度に関する資料調査、(3)(2)の成果を踏まえて、台湾の行政裁判救済制度に関する論文を作成した。 (1)については、日本社会事業大学附属図書館所蔵の『窪田静太郎関係文書』の「窪田静太郎日記」の撮影を行った。(2)については、国立公文書館・国立国会図書館で資料調査を行った。(3)については、日本における行政救済制度の全体像を明らかにする作業の一環として、1923年の台湾への訴願法施行の過程を説明する論文を作成した(公表は平成25年度の予定)。
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