本研究においては、従来全く未解明の状態におかれてきた、衆議院事務局による先例集(議会先例)の形成・運用過程の解明を試みるとともに、併せて、国会法・議院規則の制定・運用の在り方を明らかにすることを通じて、我が国の議会法・議事法が 内包する特質問題状況を明らかにすることを試みた。そのための具体的な方法としては、議会法学の文献に基づく比較法研究、事務局所蔵資料を用いた実証的研究、および、事務局関係者からの聞き取り調査(オーラルヒストリー)といった手法を総合的に活用することによって、各々の研究手法のみからでは得られない立体的な議事法像を描くことを試みた。
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