1 研究期間全体の研究実施 平成23年度は資料や情報の収集、フランスでの現地調査及びフランスの開発のための革新的資金調達に関するリーディング・グループ関係者へのインタビュー、学会報告を行っていた。 平成24年度は平成23年度に得られた研究成果をベースに、最新動向資料の収集、学会への出席、我が国の国際連帯税の各関係機関に対するインタビューを重ね、これらに基づく研究分析を行い、研究成果を学会誌に論文として発表した。 2 研究期間全体を通じて実施した研究の成果 平成23年度の学会報告により国際連帯税の存在意義を示し、平成24年度に発表した研究論文により、国際連帯税が国際的な格差是正のために有効であることを示すことができた。特に既にフランス等で国際連帯税の一形態として導入されている航空券連帯税は、最初の導入国であるフランスではその徴収額の9割を UNITAIDに拠出することでその目的を果たさんとしており、その有効性が認められる。そして、本制度の我が国導入に関しては、我が国企業の国際競争力が課題となるが、既存制度を改組する形で導入することで国際競争力に配慮した導入が可能であることも示すことができた。しかしながら、国家の主権が及ばない国際航空に課税することは課税権という大きな課題が生じ、国際的徴収・運用機関の設立までには相当の時間を要し、世界規模での同時実行にも時間を要することも明らかとなった。
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