本研究の目的は、近年相次いで国際私法の改正が行われた東アジア地域を対象に、比較法の方法によりそれぞれの国際私法の特徴を解明したうえ、これら国際私法上の共通点と相違点を分析し、同地域における国際私法調和の可能性を探求し、調和のための具体案を提案するものである。 研究成果として、比較法的研究の前提として中国国際私法の概説と、総則、物権、親族部分の解説を行った。さらに、親族法分野に関して、日中韓の国際私法の比較を行い、法選択規則に大きな差異が見られる現状を踏まえて、実体法と国際民事訴訟法なども勘案して調和の可能性を検討し、離婚管轄の平準化と相互の保証の緩和など調和のための具体案を提案した。
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