米国では、規制産業である放送・通信分野、電気分野等における企業結合に関し、司法省やFTC等の競争当局が所掌する反トラスト法に基づく規制と規制当局であるFCC、FELEC等が所掌する事業法等に基づく規制が並行して適用されるという二元規制が採用されている。 本研究では、米国における放送・通信分野に関する企業結合規制及び反トラスト法に基づく企業結合規制の内容と両者の競合関係、これまでに多数行われてきた大型合併案件に関する競争当局と規制当局の判断等に着目し、競争当局による競争の実質的減殺要件や問題解消措置、規制当局による公共の利益や視聴者・利用者保護の観点からの問題解消措置など二元規制の要件や運用上の課題を明らかにすることにより、放送と通信の融合・連携が進展していく渦中にある我が国の放送・通信分野の企業結合規制の新たな枠組みのモデルや在り方について明らかにした。
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