イノベーションや研究開発が特に重要な市場における適切な競争政策・競争法の適用・執行のあり方を考えるため、企業結合規制に特に着目して研究を行った。具体的には、イノベーション競争や研究開発競争の減少が問題となった米国・EUの企業結合審査事例を収集し、市場の画定方法、反競争効果の分析、競争促進効果の分析、競争回復措置(問題解消措置)の設計の各段階についてそれぞれどのように競争法上の評価・分析が行われているのかを検討し、慎重に審査すべき識別基準、違法性判断基準、審査分析の手法、証拠・立証方法、問題解消措置の設計のあり方について我が国における示唆を得るべく分析を行った。
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