本研究は、電子監視について網羅的に研究を行うものである。電子監視は、もともとは、拘禁の代替策として発達してきた。しかし、現状は、拘禁の代替策として機能せず、ただ「それ自体としてある」サンクションとして機能している。また、そのこともあり、再犯率の減少等に寄与してはいない。そして、近時問題となっているものとして、性犯罪者に対するGPS型電子監視の付加というものがあるが、これも、対象者の再犯率の減少に寄与することはない。結局、電子監視研究で見えてくるものは、対象者に対する「監視」には、監視する・コントロールするということ以上の意味はないということである。
|