本研究は,日本における(広い意味での)民事責任法による法益侵害の一般予防の可否と是非に関して,ドイツ法を比較法の主たる対象としながら,基礎的かつ理論的な考察を展開した。 具体的には,そのような機能を担いうる具体的な法制度として,①消費者団体訴訟制度(およびその基盤としての差止請求権制度),②損害賠償法(過失責任法,危険責任法),③英米法上の懲罰的損害賠償制度,④ドイツ法上の利益剥奪請求権制度を取り上げ,それぞれの内容や特徴を分析するとともに,特に現在,日本には存在しない③と④の各制度の導入の可否および是非について検討した。
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