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2012 年度 実施状況報告書

民事執行手続への責任財産性の反映のあり方に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23730092
研究機関神戸大学

研究代表者

青木 哲  神戸大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (40313051)

キーワード民事法学 / 権利能力なき社団 / 強制執行 / 不動産登記 / 財産開示 / 超過差押え
研究概要

本研究は、金銭執行の手続に対象財産が債務者の責任財産に帰属しているかどうかを反映させる手続のあり方をより一般的に明らかにすることを目的としている。平成24年度は,平成23年度に引き続いて日本法における問題の所在を明確にするとともに、ドイツ法の文献調査を行うことを計画した。この計画に沿い、次に掲げる研究を行い、研究の成果を公表した。
債務者の責任財産を明らかにするための手続である財産開示手続についての研究を行い、ドイツにおける財産開示手続について文献調査を行った。『判例タイムズ』に掲載された「ドイツ法から見た金銭執行の実効性確保」はその成果である。
金銭執行の対象財産の範囲に関して、対象債権の特定と超過差押えに関する研究を行った。『新民事執行実務』に掲載された「預金債権の特定と超過差押え」はその成果である。
金銭執行の対象不動産が債務者の責任財産に帰属することを登記に基づいて判断することの意義を明らかにするために、差押後に目的不動産が譲渡された場合における,譲渡人の債権者による差押えの可否について,また,譲受人の債権者により開始される手続について,研究を行った。『田原睦夫先生古稀・退官記念論文集』に掲載される「不動産に対する差押え・仮差押えに抵触する処分の効力と処分後に開始される手続について」はその成果である。
未公表であるが、信託財産に属する財産に対する強制執行についての信託法23条を対象とする研究を行い、「受託者が2人以上ある信託における信託財産に属する不動産に対する金銭執行について」を執筆した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、金銭執行の手続に対象財産の責任財産性を反映させる手続のあり方をより一般的に明らかにすることを目的としているところ、平成24年度は、信託財産に属する不動産に対する強制執行について、信託法23条の検討により、強制競売開始決定時における判断と第三者異議の訴えに準じた異議の訴えにおける判断の構造を明らかにすることができた。また、不動産に対する強制競売において、債務者名義の登記が必要とされている根拠について、理解を深めることができた。さらに、債務者の責任財産に属する財産を明らかにするための財産開示手続について、ドイツ法についての調査を行い、日本法についての理解を深めることができた。

今後の研究の推進方策

平成25年度は、不動産に対する強制執行と担保不動産執行において、対象財産が債務者ないし(手続上の)所有者の責任財産に属さない場合において、競落人が所有権を取得することの可能性についての研究を行う予定である。また、最終年度であるので、本研究課題における調査研究の内容をまとめる予定である。

次年度の研究費の使用計画

次年度の研究費と合わせて、ドイツおよび日本の民事法(民法、民事訴訟法、民事執行法)関連図書の購入、収集した文献や作成した文書の整理のための記録用メディア、ファイルなど文具およびプリンタ用紙の購入に使用する予定である。また、東京での研究会への出席および国立国会図書館における文献収集のための国内旅費に使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 預金債権の特定と超過差押え2013

    • 著者名/発表者名
      青木哲
    • 雑誌名

      新民事執行実務

      巻: 11号 ページ: 104-114

  • [雑誌論文] ドイツ法から見た金銭執行の実効性確保2013

    • 著者名/発表者名
      青木哲
    • 雑誌名

      判例タイムズ

      巻: 1383号 ページ: 58頁~79頁

  • [雑誌論文] 不動産に対する差押え・仮差押えに抵触する処分の効力と処分後に開始される手続について2013

    • 著者名/発表者名
      青木哲
    • 雑誌名

      田原睦夫先生古稀・最高裁判事退官記念論文集 『現代民事法の実務と理論』

      巻: 下巻 ページ: 掲載確定

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公開日: 2014-07-24  

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