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2013 年度 実施状況報告書

知的財産権侵害における損害賠償法の再検討 ‐不当利得法の視点から‐

研究課題

研究課題/領域番号 23730095
研究機関広島大学

研究代表者

油納 健一  広島大学, 法務研究科, 教授 (20325236)

キーワード不当利得 / 知的財産権 / 不法行為 / 使用利益 / 侵害利得
研究概要

侵害利得論における“有体物の無断使用”に関するドイツの判例・学説が、知的財産権侵害の事例にいかに応用されているのか、すなわち、知的財産権侵害の事例において“不当利得制度”を用いた場合の返還義務の対象と「権利の使用利益(使用料)」算定の問題について研究を行ってきた。平成25年度をもってこの研究を完了させ、明らかになった内容は、つぎのとおりである。
ドイツにおいては、“有体物の無断使用”の場合と知的財産権侵害の場合に、不当利得規定の適用の点で特に相違はない。すなわち、知的財産権侵害の事例においても、侵害者の返還義務の対象を使用可能性ととらえ、この算定基準を客観的市場価格としていたと評価できる。
したがって、我が国においても、“有体物の無断使用”に関するドイツの判例・学説を知的財産権侵害の場面に応用できる可能性がある。平成26年度は、この点を検討する計画である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

23年度については、山口大学が資料収集目的の旅費支出を認めなかったため、旅費が思うように使用できず資料収集が困難であった(私は23年度まで山口大学に所属し、24年度から広島大学に移籍した)、24年・25年度については、広島大学ロースクールに移籍し、研究・教育環境に大きな変化があったため、若干の計画の遅れが生じたためである。

今後の研究の推進方策

我が国においても、“有体物の無断使用”に関するドイツの判例・学説を知的財産権侵害の場面に応用できる可能性があり、この点を詳細に分析・検討する。
また、知的財産権侵害によって得た侵害者の利益額が知的財産権者の損害額よりも上回っている場合に、侵害者の全利益を剥奪する方法を検討する。この問題については、ドイツ法において判例・学説とも蓄積されているため、詳細に分析・検討する。

次年度の研究費の使用計画

平成23・24・25年度は科研費を全額使用する予定だったが、未使用額が発生してしまった。23年度については、山口大学が資料収集目的の旅費支出を認めなかったため、旅費が思うように使用できず(私は23年度まで山口大学に所属し、24年度から広島大学に移籍した)、24・25年度については、広島大学ロースクールに移籍し、研究・教育環境に大きな変化があり、計画の遅れが生じたためである。
平成26年度では、侵害者全利益剥奪に関する書籍・雑誌の購入と複写に使用し、適宜、資料収集のための旅費にも使用したい。
平成26年度には、この遅れを取り戻す計画であり、科研費をほぼ全額使用できるものと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 不当利得法における「使用利益」の範囲(1)2013

    • 著者名/発表者名
      油納健一
    • 雑誌名

      広島法学

      巻: 37 ページ: 63・79

  • [図書] 現代民事法改革の動向IV2013

    • 著者名/発表者名
      油納健一ほか
    • 総ページ数
      15
    • 出版者
      成文堂

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公開日: 2015-05-28  

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