本研究の目的は、面会交流支援に関する法制度および技法に対し、比較法的手法により、法解釈学的観点から検討を加えることである。この作業によって、面会交流時における第三者関与制度を整備しているドイツ法においては、交流の支援・援助という面が強調される一方で、交流の制限という面にも目配りされ、当該制度が利用される場面の限定がなされていることを明らかにした。近時わが国でも、離婚または別居時の面会交流につき交流を支援する手法・仕組みのあり方について、肯定的に議論が進められている。しかし面会交流の実現過程における第三者の支援は、親子の交流促進という利点がある一方で、面会交流権を制約するという面もある。交流支援の問題については、手法の有用性を評価する半面、それが権利の過度な制約とならないかが検討されるべきである。
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