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2012 年度 実績報告書

代理人の忠実義務規範の明確化

研究課題

研究課題/領域番号 23730106
研究機関国士舘大学

研究代表者

田岡 絵理子  国士舘大学, 法学部, 講師 (20551039)

キーワード忠実義務 / 代理 / 委任 / 信託 / 信認関係
研究概要

忠実義務とは、一般的には、その義務を負う者に対して、利益相反行為の禁止を義務付ける規範として理解されている。しかしながら、それ以上に具体的にいかなる行為を義務付ける規範であるのかについては、確立した理解がなされているとは言い難い。しかしながら、昨今の規制緩和や金融技術の進歩を背景に、金融取引は一段と多様化・複雑化の様を呈し、それにより、いわゆる金融サービスの提供者が、顧客との関係で、利益相反行為に相当すると懸念されうる状況に陥ることが、様々な場面で生じるようになっている。このような社会状況にあっては、金融サービス提供者と顧客との間において発生しうる、いわゆる利益相反状況下での、金融サービス提供者に対する行為規範を明らかにすることが重要となる。そこで、本研究では、利益相反行為規制を目的とする忠実義務について、とりわけ他の諸義務との概念上の関係を整理しつつ、忠実義務規範を明らかにすることを、本研究の目的とした。本研究では、民法の視点から、代理人が負う忠実義務に焦点を当てつつも、他の類似の法分野たる信託法における受託者の忠実義務についても考察を加えることで、代理人の忠実義務規範について、類似の法分野と平仄をとりながら、具体化することを試みている。その過程で、代理人の利益相反行為規制及び受任者の忠実義務について、法制審議会から提示された民法(債権法)改正案についても考察し、論稿を発表している。また、受託者の忠実義務についても考察を加え、それと平仄を合わせた代理人の忠実義務の具体化を試みている。また、本研究では、コモンロー圏における忠実義務の進展との比較法的考察もなしているところ、この点については、2013年3月にイギリス(オックスフォード大学・ケンブリッジ大学)にて、関連分野を研究する学者との意見交換をしており、これを踏まえて、別途論稿として公表することを予定している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 自己代理・双方代理・利益相反行為2013

    • 著者名/発表者名
      田岡絵理子
    • 雑誌名

      円谷峻編『民法改正案の検討(第3巻)』

      巻: 3 ページ: 65-77

  • [雑誌論文] 委任2013

    • 著者名/発表者名
      田岡絵理子
    • 雑誌名

      円谷峻編『民法改正案の検討(第3巻)』

      巻: 3 ページ: 296-309

  • [雑誌論文] 民法645条の改正案についての一考察―受任者の報告義務についての機能的分析を通じて―2012

    • 著者名/発表者名
      田岡絵理子
    • 雑誌名

      国士舘法学

      巻: 45 ページ: 188-212

    • 査読あり
  • [学会発表] 受託者の忠実義務と善管注意義務との概念的相違

    • 著者名/発表者名
      田岡絵理子
    • 学会等名
      財団法人トラスト60研究会
    • 発表場所
      財団法人トラスト60

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公開日: 2014-07-24  

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