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2014 年度 実績報告書

事業者間契約における不当条項規制をめぐる民法・消費者法・競争法の発展可能性

研究課題

研究課題/領域番号 23730108
研究機関法政大学

研究代表者

大澤 彩  法政大学, 法学部, 准教授 (30510995)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワード民法 / 消費者法 / フランス法 / 不当条項規制 / 市場の公正
研究実績の概要

今年度は、2014年9月の復職後、フランス民法典における契約の解釈をめぐる議論に関する翻訳を行い、契約の解釈における裁判官の役割について弱者保護や契約正義という観点から変化が見られることを示した。この議論は消費者契約だけではなく事業者間契約においても妥当するため、事業者間契約における契約の解釈を通じた不当な内容の契約排除について考える上でも参考となった。
また、フランスの携帯電話利用契約における期間拘束条項をめぐるフランスの判例および立法による対応について紹介・分析を行った。立法による対応は直接には消費法典に設けられた、消費者保護を目的としたものであるが、期間拘束条項がどのような場合にどのような理由で不当となるのかを分析することによって、日本でも近年問題となっている期間拘束条項や契約解除権を排除する条項の不当性について消費者契約はもちろん、事業者間契約においても当事者間に交渉力の不均衡がある場合をも念頭に置いて考える素材を提供した。とりわけ期間拘束条項は、一定期間の契約を義務づけることで対価が安価になるという経済的効果もあることから、経済的効果、さらには公正な市場の確保を図る上で、当事者の契約自由の原則がどの程度介入を受けることがあり得るのかという点を分析したが、この点は消費者契約よりも一層経済的効果に留意しなければならない事業者間契約においても有益な示唆を与えるものであると言える。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] フランスの携帯電話利用契約における最低契約期間条項規制-期間拘束条項の不当性判断基準と不当条項リスト2015

    • 著者名/発表者名
      大澤彩
    • 雑誌名

      NBL

      巻: 1047 ページ: 27-36

  • [雑誌論文] 裁判官と契約の内容2015

    • 著者名/発表者名
      シリル・グリマルディ(大澤彩訳)
    • 雑誌名

      法学志林

      巻: 112巻4号 ページ: 1-23

  • [図書] 集団的消費者利益の実現と法の役割2014

    • 著者名/発表者名
      千葉恵美子、岡本裕樹、原田大樹、丸山絵美子、林秀弥、鈴木將文、吉田克己、山本隆司、大澤彩、根本尚徳、酒井一、渡部美由紀、町村泰貴、笠井正俊、八田卓也、長谷部由起子、横溝大、宮澤俊昭、向田直範、高橋祐介
    • 総ページ数
      587(254-270)
    • 出版者
      商事法務
  • [図書] Les notions fondamentales de droit civil : Regards croises franco-japonais2014

    • 著者名/発表者名
      Denis Mezeaud, Mustapha Mekki, Naoki Kanayama, Katsumi Yoshida, Nathalie Blanc, Olivier Bustin, Philippe Chauvire, Andrey Colin, Megumi Hara, Shunichiro Koyanagi, Yves-Marie Laithier, Mathias Latina, Laurent Neyret, Nao Ogino, Aya Ohsawa, Ippei Ohsawa, Shintaro Osawa, Yves Picod, Yuki Saito, Kazuma Yamashiro
    • 総ページ数
      302(39-59)
    • 出版者
      LGDJ

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公開日: 2016-06-01  

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