本研究では、プライバシー権の本質を明らかにすることを目的に、ライフログの利用がもたらすプライバシー・個人情報保護の問題を比較法的に研究した。 その結果、第1に、個人情報のいわゆる「財産権論」には法的な問題点が多いものの、契約法上の債権債務関係による実際上の処理があり得ること、第2に、プライバシーの要素は「選択」と「透明性」に見い出せること、第3に、「プロファイリング」が新たな侵害側面として注目されること、第4に、欧米のプライバシー・個人情報保護論議には、本来的な消極的性質の権利に回帰する傾向が見られることを示唆として得ることができた。
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