研究課題/領域番号 |
23730127
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研究機関 | 公益財団法人世界人権問題研究センター |
研究代表者 |
福嶋 由里子 公益財団法人世界人権問題研究センター, その他部局等, 研究員 (20530166)
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キーワード | 女性に対する暴力 / 外国人女性 / ジェンダー |
研究概要 |
本年度は、海外における外国人DV被害者支援体制に関する調査を重点的に行った。具体的には、本研究の比較対象国である米国とカナダにおいて、外国人DV被害者支援に実績のある民間支援団体や専門家への聞き取り調査を実施した。 米国では、サンフランシスコ市に拠点をもつ、Asian Women Shelter、Asia & Pacific Islander Institute on Domestic Violence、Californian Immigration Policy Centerを訪問し、外国人DV被害者の現状や支援体制の問題点等について、支援担当者等から有益な情報を得ることができた。 カナダでは、バンクーバー市に拠点おく、YWCA of Vancouver、Ending Violence Assciation BC、Multilingual Orientation Service Association for Immigrant Communities, MOSAIC、Legal Service Societyへの訪問や、Vancouver & Lower Mainland Multicultural Family Support Service Societyの相談員へのインタビューを通して、外国籍DV被害者の現状や支援体制の問題点等について、具体的な情報を得ることができた。 一方、国内では、所属学会等への参加や文献調査を通し、女性に対する暴力に関する法制度の問題点等について、現在の動向等に関する情報の収集を行った。また、外国人DV被害者に対する入管法の影響について、民間支援団体が主催するセミナー等への参加し現状把握に努めた。 本年度実施した調査研究成果は、学術研究者等で構成される所属研究会等において共有する機会を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、本研究の比較対象国である米国およびカナダにおいて調査を実施したことにより、最終年度における比較分析研究に向けて、有意義な情報を得ることができた。日本国内の状況については、前年度から引き続き、外国人DV被害者の支援に携わる専門家等との定期的な会議や文献研究等を通して、外国人DV被害者が直面している問題に関する知見を蓄積することができた。また、これまでの研究成果については、所属研究会での報告や論文の執筆等を通して発表する機会を得た。昨年度および本年度の研究活動で得ることができた情報等は、最終年度における比較分析研究に有意義なものであると考える。
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今後の研究の推進方策 |
研究事業の最終年度となる次年度は、過去2年間で得た知見をもとに、日本、米国、カナダにおける外国人DV被害者保護政策の比較分析を行うとともに、日本における外国人DV被害者支援体制の改善に向けた提言をまとめる。日本への提言を含む研究成果報告書をまとめる際には、これまで学術交流のある法学者や所属研究会の研究員等に相談し、助言をもらう。研究成果については、所属学会や研究会等での報告、また所属研究所の紀要への投稿を通して発表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は、学会等における研究成果発表にかかる経費(交通費、宿泊費、日当)、文献購入費、専門家等への聞き取り調査等にかかる経費(交通費、謝金等)、報告書の作成にかかる経費等に当該研究費を使用する。
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