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2013 年度 実績報告書

第1次インドシナ戦争期の北ベトナムでの総動員体制の構築と冷戦の影響をめぐる研究

研究課題

研究課題/領域番号 23730128
研究機関北海道大学

研究代表者

平山 陽洋  北海道大学, スラブ研究センター, 学術研究員 (80570986)

キーワード第1次インドシナ戦争 / ベトナム / 戦時動員 / 冷戦史
研究概要

平成25年度には、ハノイと東京で追加的な史資料調査を実施した。第1に、ハノイの国家図書館にて、第1次インドシナ戦争期の各種刊行物と、後年に刊行された関連書籍の調査をより一層推し進めた。この調査を踏まえ、中央政府による戦時動員の制度化の過程を把握すると同時に、戦時動員の実態が地方ごとで相異する事情を検証するという、二重の作業の精緻化を図った。第2に、ハノイの第3国家公文書館にて、越北連区(第1次インドシナ戦争期にベトナム民主共和国中央政府が設置された地方)における地方政府公文書ファイル目録を昨年度に引き続いて閲覧、筆写し、中央政府と地方政府の関係に関する公文書の把握作業を推し進めた。平成25年度の公文書調査では、中央と地方の関係が、特に動員から兵站までの一連の制度構築と関連していかに形成されたかに着目した。時間的な制約の問題があり、個別の公文書自体を閲覧するには至らなかったが、それら公文書の種類や分量、所在が詳細に把握された(例えば、財の動員の一環としての阿片の扱いに関する公文書)。他方、東京では、東京外国語大学にて、共産党関連文献の調査を追加的に実施し、それら党関連文献に示された戦時動員の規定や、党と行政機関との関係を検証した。
研究期間全体を通じて調査した史資料は、(1)第1次インドシナ戦争期に刊行された印刷物(小冊子、新聞、官報等)、(2)同戦争期の公文書や党関連資料、(3)後年に刊行された同戦争に関連する書籍(日記、回想録、地方史に関する書籍等)、(4)各地の地理的条件を知るための地理書と地図、に大別される。これら史資料の調査に基づいて戦時動員の実態の総合的分析を進めており、(A)中央政府による戦時動員の制度化、(B)戦時動員における中央と地方の関係、(C)戦時動員の地方ごとの偏差、(D)戦時動員の体制構築に与えた社会主義諸国の影響を、論稿としてまとめる最中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] ベトナムにおける公式的な戦争の記憶:記念碑と戦争展示をめぐる考察2014

    • 著者名/発表者名
      平山陽洋
    • 雑誌名

      地域研究

      巻: 14巻2号 ページ: 59-74

    • 査読あり
  • [学会発表] Conflicting National Interests without Shared Framework for Boundary Making and Cooperative Management in the South China Sea

    • 著者名/発表者名
      Akihiro HIRAYAMA
    • 学会等名
      ABS(Association for Borderlands Studies) 55th Annual Conference
    • 発表場所
      Grand Hyatt Denver, USA
  • [学会発表] ベトナムの市場経済化における森林管理制度

    • 著者名/発表者名
      平山陽洋
    • 学会等名
      「地域情報学と境界研究が出会うとき:国境問題・宗教・環境」(北海道大学スラブ研究センター・京都大学地域研究統合情報センター合同ワークショップ)
    • 発表場所
      京都大学(京都市)
  • [学会発表] 冷戦の深化と「国境の顕現」:与那国・東アジア・東南アジア

    • 著者名/発表者名
      平山陽洋
    • 学会等名
      北海道大学GCOE「境界研究の拠点形成」・北海道大学総合博物館土曜市民セミナー
    • 発表場所
      北海道大学(札幌市)
  • [学会発表] 現代ベトナムにおける「イコノクラスム」の不在と「イコン」の意味

    • 著者名/発表者名
      平山陽洋
    • 学会等名
      研究ワークショップ「集合的記憶とイコノクラスム:イメージの生成と破壊をめぐって」(主催:科研費・基盤研究A「近現代世界の自画像形成に作用する〈集合的記憶〉の学際的研究」
    • 発表場所
      東京外国語大学(府中市)
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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