2001 年から 2005 年の小泉政権期のデータである JESIIIを用い、対人接触とマスメディア視聴が、有権者の首相・自民党・民主党への感情温度(0~100 の数値で、値の大きなほど対象を好感する)へ与える影響を論じ、二大政党制成立期の有権者意識を解明した。パネル分析と操作変数を用いた一般化モーメント法で変数の効果を厳密に測定した結果は以下の通りである。調査回答者との政治的会話の頻度が最も高い周囲 2 名が自民党支持の場合の分析では、保守的イデオロギーの保持が回答者の自民党への感情温度を高めた。他方、会話頻度や会話相手の政治的な知識量、そして NHK ニュースの視聴は感情温度に影響しなかった。
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