研究課題/領域番号 |
23730139
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
成廣 孝 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (90335571)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | スコットランド / イギリス / 選挙 / マルチレベル |
研究概要 |
当該年度においては,研究課題に関する文献資料および分析上必要なスコットランド地域議会選挙の世論調査データの収集を行った.文献資料の利用に関しては先行研究についてその概要を把握するとともに,研究の問題設定について微修正とよりいっそうの明確化を行うことに努めた.世論調査データについては,質問票の詳細な検討を行うとともに,変数の値の分布についての記述的把握および,変数の結合・改編など本格的な統計分析・モデル構築を行うにあたっての前段階としての作業を進めた.また,スコットランドを含む現在のイギリス選挙分析における主要な選好研究の動向,モデルの進展,選挙制度など他の制度の影響といった問題について12年3月のイギリス政治研究会において報告した.これは今後の分析の基礎の一部となる.また,2014年度刊行予定の『現代イギリス政治』(成文堂)への採録が決まっている.これらの作業により,次年度における分析・報告作業にスムーズに移行できることが期待できる.本格的分析の前段階であるが,これまでに行った予備的分析においては,スコットランドの有権者レベルにおいて,スコットランド政治をイギリス政治と区別して考えて投票行動に反映させるという傾向が強まりつつあることが垣間見えている.世論調査データについてはまた,スコットランド地域議会選挙のみならず,イギリス全体の選挙について行われたものや,ウェールズ,北アイルランドの同様の調査についても収集を行うことに努めた.これらについてもスコットランド地域議会選挙について行った作業と同様の作業を進めている.スコットランドとイギリスという異なるレベルの選挙政治の比較という本研究本来の目的に加え,別地域議会とのヨコの比較の観点を加えることでよりスコットランドの特性を明確化することができるとともに,広い視野からマルチレベルな選挙政治の特徴を捉えることが可能になると思われる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は2年間で行うものであるが,研究実績の概要でふれたように現段階で本格的な分析を行うにあたって必要な作業はほとんど終えている.スコットランド以外のイギリスの地域について検討を加えるという部分で当初の研究から視野を広げた部分があるため,その部分においてやや時間がかかっていること,成果の公表という点でまだ進んでいないものの,全体としての進行は問題なく進んでいるものと判断できる.
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今後の研究の推進方策 |
2年目は予定通り,収集・整理したデータ本格的分析とそれに基づく論文の執筆作業にはいる.文献調査を進め,必要があれば適宜議論に反映させる努力をしたい.また,論文としての公表を進める.
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次年度の研究費の使用計画 |
特に変更は行わない.
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