研究課題/領域番号 |
23730144
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研究機関 | 奈良県立大学 |
研究代表者 |
城戸 英樹 奈良県立大学, 地域創造学部, 講師 (30582358)
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キーワード | 国際情報交換 / 政府間関係 / 地方制度改革 / 比較政治 / 日本:カナダ |
研究概要 |
本年度は、まず6月にカナダ政府(外交通商省)の官僚から、カナダから見た日本政治に関するレクチャーを受けた。これによって、比較対象であるカナダから見た日本像の把握を行うことができた。 次に、7月から8月にかけて約2週間カナダ・トロント大学に赴きカナダ連邦制に関する追加的な資料収集を行った。この資料収集で、政府間関係に関する最新の研究動向の把握及びカナダにおける政府間関係に関するデータ、資料の収集を行うことができた。この訪問によって、中間成果並びに最終成果の完成に向けて必要な資料等を概ね収集することができたと考える。 次に、8月末にはタイにおいて日本とカナダの政府間財政移転改革に関する比較研究について研究発表を行った。これによって、海外の研究者から研究の枠組みについて有益なコメントを受けることができた。 また、9月には、大学の公開講座で日本とカナダの政府間関係の講義を行い、研究成果の一部を社会に還元した。 さらに、10月には研究の中間成果として日本とカナダの政府間関係に関する論考を大学紀要において公表した。この論考は、日本とカナダの政府間関係の制度について概観を行ったもので、最終成果にむけた序論な研究と位置付けることができる。 最後に、3月にアメリカ・ロサンゼルスで開催された西部政治学会に参加し、日本の地方政治を中心的なテーマとするパネルで討論を行うとともに、比較政治学における研究動向の把握を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初報告を予定していたアメリカ政治学会がハリケーンのためにキャンセルになったため、研究に対する国際的な視点からの意見の反映が困難になったものの、それに代わる学会報告の機会(タイ)を設けることで、致命的な影響は回避することができた。また、当初の研究計画の予定通りに、中間的な研究成果の公表にこぎつけることができたことからも、研究がおおむね順調に進んでいると評価することができる。 また、トロントにおいて追加的な資料収集の機会を設けることができたために、最終成果のとりまとめに向けておおむね順調に研究が進行していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画の通り、研究の最終年度にあたって、最終的な研究成果のとりまとめを行う。最終成果については、6月にカナダ政治学会での報告を行い、カナダ政治研究者からのコメントを受ける。それらのコメントをもとに成果のとりまとめ作業を行い、成果の公表に向けて査読雑誌への投稿を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
概ね当初の予定通りに研究費を執行する。次年度は最終成果とりまとめの年であり、主な経費としては6月にカナダにおいて学会報告を行うための旅費を支出する。さらに、最新の研究動向を可能な限り研究に反映するために、若干の書籍購入を予定している。そのうえで、最終成果のとりまとめに必要な印刷費などを支出する予定である。
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