本研究は、現代日本に訪れた政権交代を考えるうえで、近代日本における政権交代と政官関係の関係を比較歴史研究の手法を用いて行った。同時代政治が民主党政権から自民党政権へと再交代したことで、政官関係の変化を見るうえでも貴重な示唆が得られた。具体的には政権交代が進むことで行政を把握する必要性がいずれの政権与党においても深く認識され、「政治主導」の方途として、政権の志向する政策と省庁の状況を合わせていることが考慮されることとなった。 とりわけ、研究代表者が民主主義の方途と考える行政官のオープンドア政策については、現状においても大きな変化が進んでいる。今後も比較の視点から推移を検討していきたい。
|