本研究は旧ソ連諸国の支配政党体制の成立と憲法動態を調査するものであった。支配政党体制の成立に関しての成果は、「旧ソ連諸国の競争選挙を行う体制において、支配政党形成の一つの必要条件は、中・下級エリートの権力基盤を解体せずに支配政党に糾合する中央政府の能力である」というテーゼに要約できる。 この点をロシアの支配政党体制に関して論じたほか、ウクライナに関して、地方エリートの反逆を招き支配政党形成に失敗したことを論じた。 また、旧ソ連諸国の支配政党体制の特徴をつかむために、中国共産党とインド国民会議派との比較を試み、体制構築型支配政党と体制順型支配政党という支配政党の二つの理念系を提唱した。
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