研究課題/領域番号 |
23730157
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
五十嵐 誠一 千葉大学, 法経学部, 講師 (60350451)
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キーワード | 南アジア / 地域主義 / 市民社会 |
研究概要 |
本年度は、南アジアに焦点を当てて研究を遂行した。特に南アジア地域協力連合(SAARC)という地域機構に関わる市民団体の調査のためにネパールを訪問した。トラックIIとしては、「Regional Centre for Strategic Studies」(RCSS) 、「South Asia Centre for Policy Studies」(SACEPS)、「Coalition for Action on South Asian Cooperation」(CASAC)、トラックIIIとしては、People's SAARCに注目し、それぞれの事務局を訪問し、関係者に聞き取り調査を行うとともに、関係する一次資料を入手した。調査を通じて、南アジアではトラックIIがSAARCの政策決定過程に影響を与えているが、トラックIIIの関与は低調であり、外部から政策提言運動を展開しているにとどまっていることが明らかとなった。これは、トラックIIIの関与が進んでいる東南アジアとは対照的と言える。研究成果は、比較分析の観点から、アジアの地域主義と市民社会に関わる論文2つを寄稿した。1つは『親密圏と公共圏の再編』(京都大学出版会)の1章であり、もう1つはその英語版(Brill出版)の1章であり、近日刊行予定である。加えて、本研究が注目するトランスナショナル市民社会をリベラリズム、コンストラクティヴィズム、ラディカリズムの視座から検討した論文を『国際関係論』(弘文堂、2013年2月)に寄稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年度1地域という研究調査計画であり、現在までに2地域の調査を完了している。研究計画の予定通りに、引き続きオルターナティブな地域主義にかかわる市民団体を中心に関係団体・組織への聞き取り調査および一次資料・二次資料の収集に努める。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の予定通りに、引き続きオルターナティブな地域主義にかかわる市民団体への聞き取り調査および一次資料・二次資料の収集に努める。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は、南北アメリカの調査を予定している。市民団体の拠点となっているコロンビア、エクアドル、メキシコ、アメリカへの現地調査を実行する。残額については、南アジアの調査を繰り上げて行ったためであり、今年度は中南米への旅費がかさむことから、それにあてることにする。
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