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2014 年度 実績報告書

東アジア国際衛生事業の展開と地域内国際協力枠組みの形成1945-1965年

研究課題

研究課題/領域番号 23730160
研究機関関西外国語大学

研究代表者

安田 佳代  関西外国語大学, 外国語学部, 講師 (70583730)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワード国際連盟 / 世界保健機関(WHO) / グローバル・ヘルス・ガバナンス / 国際連合
研究実績の概要

本研究は、戦間期東アジアにおける国際保健事業の戦後への継承と地域内国際秩序の関わりを明らかにすることを目的とする。第二次世界大戦中、連合国陣営では1943年に設立された連合国救済復興機関(アンラ)を中心に、伝染病対策や食糧の共同管理など国際的に組織化された行動が展開され、それが戦後の国際組織化の基盤となったことが前年度までに明らかになっていた。この点に着目し、平成26年度は戦後の国際保健協力の確立が脱植民地化の動き、ならびに戦後東アジアにおける国際保健協力とどのように関連したのかを検討した。
戦後の国際保健体制を確立するなかで、当時アジアやアフリカに植民地を有していたイギリスとフランスは、植民地の参加方法を巡って真っ向から対立した。フランスは植民地が直接保健事業に参加することを強く拒んだのに対して、イギリスは植民地が直接参加できる体制を求めた。アメリカは脱植民地化の観点から後者を支持し、結局、植民地が直接参加できる体制が確立された。アジア・アフリカの国々は独立後、次々と世界保健機関に加盟し、ユニバーサルな保健行政が確立されていく。そしてアジアでは、WHOとユニセフを中心として、母子保健事業や感染症対策をはじめとする様々な保健事業が展開されていく。この研究成果は英文の研究論文のまとめ、海外の学術雑誌に投稿した。
第二次世界大戦中の連合国の保健協力、ならびにその動きの脱植民地化への影響を検討することに予想以上に時間がかかった。このため、この動きがアジア地域内協力にどうつながっていったのかに関しては十分な検討することができなかったが、研究期間終了後も引き続き、研究を進めていきたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Japan and the League of Nations Health Organization, 1925-1938: International health work in international politics2014

    • 著者名/発表者名
      Kayo Yasuda
    • 学会等名
      国際関係史学会(CHIR)2014 年度研究大会
    • 発表場所
      国際交流基金ホール
    • 年月日
      2014-12-07 – 2014-12-07
    • 招待講演
  • [学会発表] 世界保健機関設立過程の歴史的検討――主要連合国と専門家の役割を中心に2014

    • 著者名/発表者名
      安田佳代
    • 学会等名
      日本国際連合学会 2014 年度研究大会
    • 発表場所
      北九州市立大学
    • 年月日
      2014-06-28 – 2014-06-28
  • [図書] 『平和と安全保障を考える事典』 「国際主義」ならびに「世界保健機関」を担当2015

    • 著者名/発表者名
      吉川元ほか
    • 総ページ数
      約400頁
    • 出版者
      法律文化社

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公開日: 2016-06-01  

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