戦後の国際保健システムは、第二次世界大戦の連合国間のパワーポリティックスの結果として生み出されたものであった。他方、アジアとアフリカの国々は、こうした大国の恣意的な行動に抵抗を示し、世界保健機関(WHO)においてユニバーサルなメンバーシップを確立することに成功した。これによって、アジアの国々は正式加盟国あるいは準加盟国としてWHOの活動に参画し、様々な技術支援を受け、これらは脱植民地化の過程あるいは独立後の保健システムの整備を大きく助けることとなった。他方、それが各国の保健外交にどのような影響を与えたのかに関しては、今後の検討課題としたい。
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