本研究では、主に反乱軍の組織的特徴や組織内政治が内戦の動態に与える影響を分析した。ウガンダの神の抵抗軍の事例分析では、反乱軍組織の改革の成否を説明する際、組織内政治の視点が有用であるかを分析した。また、南スーダンやスリランカの事例分析によって反乱軍の組織的特徴が戦後の平和構築に影響を与える可能性を確認した上で、内戦終了後の和平の持続期間について計量分析を行い、その効果を検証した。更に、計量分析では、和平合意に政治的権力分有条項や、同条項と軍事的権力分有条項の双方が含まれる場合、短期的に内戦再発リスクが上昇することを指摘した。
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