ベトナム戦争をめぐるニクソン政権とインドシナ諸国(南ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ)の同盟関係について研究してきたが、その成果として4本の論文を刊行した。これらの考察を通じて、①ニクソン政権とインドシナ諸国の同盟関係は軍事協力のみならず、深刻な政治対立を内包していたこと、②同盟関係の悪化には、アメリカの国内政治、特に議会上院外交委員会を中心とする政権のベトナム政策批判が大きな影響を及ぼしていたこと、③インドシナ同盟諸国間の協調と対立がニクソン政権のベトナム政策策定の一拘束要因となっていたことを明らかに、従来の先行研究で指摘されていない同盟関係の諸側面を明らかにした。
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