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2012 年度 実施状況報告書

戦間期イギリスの国際関係研究とナショナリズムの問題

研究課題

研究課題/領域番号 23730176
研究機関名古屋商科大学

研究代表者

山中 仁美  名古屋商科大学, 経済学部, 准教授 (30510028)

キーワード国際関係研究 / 戦間期 / イギリス / ナショナリズム
研究概要

本年度は、両大戦間期に発展を遂げたイギリスの国際関係研究において、ナショナリズムをめぐる知見がどのように取り扱われ、いかなる問題として論じられていたのかを明らかにするため、ロンドンにて一次資料の調査をおこなった。その調査結果をまとめ、日本国際政治学会の年次大会をはじめ複数の学会・研究会にて、報告をおこなった。
1)一次資料の調査
イギリス、ロンドンの王立国際問題研究所(「チャタム・ハウス」)を拠点として、歴史文書の収集・調査をおこなった。とくに、1930年代後半に活動していた「ナショナリズム研究グループ」の成り立ちと展開を明らかにすべく、同研究所の図書館に所蔵されている同グループの活動記録を調査した。
2)調査結果の報告
上記研究グループでおこなわれていた議論の展開、および作成された報告書の内容を精査し、10月に名古屋国際会議場において開催された日本国際政治学会の年次大会で、「戦間期イギリスの国際関係研究におけるナショナリズム論」と題し報告をおこなった。学説史において戦間期のイギリスがもつ意味と、政策決定の外部にありながらそこに影響を与え学問発展に寄与したシンクタンクの存在に光をあてつつ、当時国際関係研究に組み込まれつつあったナショナリズムをめぐる知的営為のあり方を歴史的に論じた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、イギリスにおいて資料収集・調査をおこない、その分析結果を学会および研究会で報告するという、当初の計画を完遂した。これにより、萌芽期の国際関係学の発展をナショナリズムの問題と関連付けながら再検討するという本研究の目的は、順調に達成されつつある。

今後の研究の推進方策

研究の最終年度にあたる本年度は、引き続き資料の調査をおこないながら、これまで複数にわたっておこなった報告の内容を論文にまとめ、査読付きの学術雑誌に投稿する。戦間期イギリスにおける国際関係学の理論的・思想的展開を、自決権と結びつくナショナリズムの超克という問題を通して明らかにするとともに、そのような学問的な方向性が、イギリスの対外政策の基本方針や決定過程とどのような関係にあったのかについても論じる予定である。

次年度の研究費の使用計画

論文執筆のために必要な書籍、印刷に関する物品を購入するほか、英文の校正や投稿に関わる費用を本年度の研究費でカバーする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 戦間期イギリスの国際関係研究におけるナショナリズム論 -チャタム・ハウス(王立国際問題研究所)での議論を中心に

    • 著者名/発表者名
      山中仁美
    • 学会等名
      日本国際政治学会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
  • [学会発表] 戦間期のイギリスにおける国際関係研究へのアプローチ ―E・H・カーの 19 世紀自由主義批判をめぐって―

    • 著者名/発表者名
      山中仁美
    • 学会等名
      英国学派研究第6 回講演会
    • 発表場所
      明治大学
    • 招待講演
  • [学会発表] British IR debate in Wartime Japan

    • 著者名/発表者名
      Hitomi Yamanaka
    • 学会等名
      International Studies Association
    • 発表場所
      San Francisco

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公開日: 2014-07-24  

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