研究概要 |
2012年度は研究成果を米国で開催された「The International Studies Association」(当該専門分野世界最大の学会)の年次大会で発表し有益なフィードバックを得た。ISAでは現・馬政権の台湾安全保障政策の変化と継続性について、国民党政府は大陸を起源とし一般的には北京政府寄りとされるが一方で台湾の政治的アイデンティティを推進していることを論じた。アイデンティティ形成パターンはそれまでの2つの政権と異なるものではない。「台湾の安全保障政策は台湾の独自アイデンティティを生み再生産する」という研究代表者の仮説は政権を司る政党により変化するものではないことを示唆している。 2011年度は馬政権の台湾国家安全保障対話の変化と連続性を検証するため台北で現地調査を実施し、データ収集とインタビューを行った。総統選挙と立法委員選挙の直前というタイミングであったことから総統府の近くで大規模な集会に立会い、また印刷・電子両媒体で豊富な政治ニュースを入手した。更に中央研究院研究員、国立政治大学教授、政党スポークスマンと面談し意見交換を行った。 研究成果は2011年にシンガポールで、2012年に台北とソウルでも発表を行った。さらに「New Thinking about the Taiwan Issue: Theoretical Insights into Its Origins, Dynamics, and Prospects, edited by Jean-Marc. F. Blanchard and Dennis V. Hickey (London: Routledge, 2012)」において章を担当し出版を行った。 現在は章を担当した著書が最終校正の段階にありCambria Pressから出版される予定である。なお2014年中の入稿を目指して本の執筆を行っている。
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