研究課題/領域番号 |
23730182
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
堀井 亮 東北大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (90324855)
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キーワード | 経済成長 |
研究概要 |
本年度は、前年度に引き続き基礎理論研究の推進および、データの検討を行った。理論研究については、国内での論文報告による関連分野専門研究者からの意見を得ることに加え、夏期にはドイツパダボーン大学を拠点とし、Thomas Greis教授、Stefan Jungblut准教授など高名な研究者と繰り返しディスカッションを行うことにより、国際的に受け入れられるモデル構築の形態およびプレゼンテーションの方法を模索した。ドイツを拠点としさらに、デンマークや英国の研究者との連携も行った。 具体的には、本研究テーマに関するセミナー講演をドイツパダボーン大学およびイギリスケント大学で行ったが、多数の研究者から高い評価および有用なコメントが得られ、理論完成に向けて大きく前進した。また、デンマークの研究者と共著した関連論文が公共経済学の分野で最も高く評価されるジャーナル (Journal of Public Economics) に掲載された。当該論文は経済成長の持続可能性について、災害発生リスクとの関係を中心に議論したものであるが、内生的成長理論のフレームワークを用いており、その成果は多数の財の開発を内生的に分析する本研究にも関係が深い。帰国後は財務省から招待を受け、新財導入に基づく経済成長の将来見通しや経済データの解釈の方法についてレクチャーを行った。中間成果ではあるが、本研究に基づく社会貢献の一環と考えている。 データの分析検討については、本研究テーマに関連して、学内でも新しい研究センター(Center for Data Science and Service Research) 設立に参画し、大型データを扱う体制を整えつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は理論研究および研究成果の出版の面で順調な進展があった。但し前年度、東日本大震災による研究遅延があったため、研究計画全体としては未消化な部分が多く、次年度以降研究をいっそう推進したい。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、国内外の研究者と連携を取りながら理論研究を進めると同時に、学内データ研究センターへの参加を通じて、価格データの構造的な取り扱い手法について手法を深めていきたいと考えてる。 本年度はドイツに長期滞在することより海外研究者ネットワークから多くの知見が得られたが、次年度(2013年度)は主にその知見を形のあるものにすべく研究を深めたいと考えている。最終年度(2014年度)はその結果を完成・出版するため、再び海外での報告に力を入れたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
論文完成に必要な書籍・情報機器等の購入費用、専門家とのディスカッションのための旅費に支出を予定している。さらに、研究の進展に応じて、完成論文に対する英文校正や中間成果の報告にも支出したい。
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