基本的な新古典派成長理論では、経済成長プロセスは均質的な最終財の増加として表される。しかし、現実経済は必ずしも均質的な財・技術・生産要素により構成されているわけではない。そこで、本研究では旧型財から新型財への消費者需要の移行、旧技術から新技術への企業の移行、単純労働者を用いた生産から高いスキル水準を持つ労働者を用いた生産プロセスへの移行などに内生的に説明する成長理論を構築することを目的とした。本研究は、これらの動的な移行が経済成長プロセスの中でいかに発生するかを明らかにし、それが国民経済計算で計測される経済成長率にどのような影響をもたらすか、消費者厚生に与える効果と異なるか等を分析にした。
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