研究課題/領域番号 |
23730185
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
加藤 晋 首都大学東京, 都市教養学部, 准教授 (30553101)
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キーワード | ガバナンス / 公平性 / 集団的決定 / コンドルセのパラドックス / 経済組織 / 社会厚生 |
研究概要 |
24年度は、23年度の情報収集、サーベイ、基礎的研究に基づき、応用的課題の研究発展に努めた。まず、国際学会・研究会にて意見交換をするとともに、前年度から進めている自分の研究を報告をした。国内学会で情報収集・意見交換も行った。また、公平な資源分配と市場競争について検討するため、組織の経済学・財政学/公共経済学・産業組織・福祉国家の分野に関わる研究者と交流を行った。ガバナンスと密接に関係している「社会関係資本」の概念に着目し、社会学・歴史学・地域研究の分野の研究者と交流を行った。さらに、前年度に引き続き関連分野の研究書を購入し、さらなる情報収集を行った。 前年度に進めた「集団的決定の理論構造」に関する論文を改訂し、査読付雑誌に投稿した。そして、今年度新たに「公平な資源配分」と「競争政策によるガバナンス」に関連した論文を書いた。公平な資源配分に関連して、無羨望性・平等性等価についての論文を書いた。よく知られた「根岸の手法」は競争市場における資源配分において公平性を如何に達成すべきか、ということの基礎的分析手法としてみることができるが、この手法を二項関係によって捉えることを提案した。合併政策と最適な参入規制に関する論文を書いた。効率性基準をどの範囲で適用すべきかという問題に関する論文を書いた。 複数の研究論文を海外の査読雑誌に発表した。国際学会(オーストラリア、ブリスベン)に1回報告に行った。 論文は英文で書いたため、英文校正が必要となった。そこで、英文校正を専門とする外部業者に依頼した。論文は改訂を重ねて、査読誌に投稿を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以下の理由でおおむね順調に進展していると判断した。 (1)前年度の研究に基づき「集団的決定」に関する論文が海外の査読付雑誌に成果として出版された。 (2)「公平性」・「経済ガバナンス」についての論文を2本書く予定だったが、これを達成することができた。 (3)首都圏の研究会と学会を中心として、さまざまな研究者と交流を図り、研究の改善をすうことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでの研究成果を発表し、査読付雑誌に出版できるように努める。福祉国家、不平等・所得分配、競争政策、社会関係資本などに着目し、研究を進めていく。 これまでの研究を改善するために、学会参加を通じて研究者間での交流を行い、定例的に研究会に参加し、また研究会を開催していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
24年度においては当初予定していたよりも遠方で行われる関連したテーマの研究会が少なかったため、次年度使用分が生じた。これについては、主に次年度の研究会・学会参加のための旅費として使用する予定である。 平成25年度の、最終的な報告に向けての使用計画は以下のとおりである。まず、最終年度ということで研究成果の報告のために、国内学会に2回、海外学会に2回の参加を予定している。前年度と同様に、大阪で定例的に行われる研究会に参加する予定である。これらの旅費・交通費が必要となる。 学術論文の英文校正・投稿を行うため、校正費用および投稿費用が必要となる。また、論文・報告書の作成を円滑に行うため、印刷費等の雑費が必要となる。 また、外部の専門家を招聘し、報告書草案に関する意見交換とともに、関連分野の更なる発展のための討議を行う。交通費および謝金が必要となる。
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