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2012 年度 実施状況報告書

キーワードオークションの理論研究:現行制度はいかなる合理的を有するか

研究課題

研究課題/領域番号 23730194
研究機関早稲田大学

研究代表者

上條 良夫  早稲田大学, 高等研究所, 助教 (40453972)

キーワードオークション / インターネット検索エンジン / 広告 / 一般化第二価格オークション / VCGメカニズム / ゲーム理論 / コンピュータシミュレーション
研究概要

キーワードオークション(検索連動型広告オークションともよばれる)に関するゲーム理論を用いた理論・シミュレーション分析により、現行制度にどのような合理性があるのかを明らかにする。現行制度は、第二価格オークションを採用していることに加えて、広
告枠数に制限がある、個人の入札額が隠匿されている、などの特徴を有する。これらの制度の詳細は、入札者の行動、オークション主の収入、などにどのような影響をもたらすのか。また、検索エンジン間での異なる制度の採用はどのように説明できるのか。これらを
明らかにする。
【研究1】これまでの研究により、上位の広告枠ほどクリック率に対しての限界収入が大きい、ということが明らかにされている。最適広告枠数の存在も、上位広告枠を強調することも、これより説明できる。本年度の研究により、この性質が通常オークション理論で
想定される条件下で成立することが明らかにできた。研究内容は『政治経済学への数理的アプローチ』勁草書房、にまとめられている。【研究2】Kamijo (2010)で提案された入札行動と、Cary et al. (2007) が提案した入札額が公開されている環境での入札行動をそれぞれコンピュータシミュレーションで走らせ、均衡までの収束スピード、均衡に至るまでの検索エンジンの収益、などにどのような差異があるのかを明らかにした。シミュレーションの結果、入札額が秘匿されている状況では、検索エンジンの収入を上げ、広告主、特に評価値の高い広告主、の収入を下げる可能性があることが確認できた。研究成果は国際査読誌へと投稿中である。【研究3】広告枠数の制限と最適留保価格の収入に与える効果についてのコンピュータシムレーション分析を試験的に行っている状況である。【研究4】局所非羨望均衡がナッシュ均衡になるための支払ルールの部分的条件を明らかにしている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究1は,すでに英文論文としてまとめられており,さらにその日本語解説版ともいえる内容が『政治経済学への数理的アプローチ』勁草書房の第三章に掲載されている。
研究2の内容をまとめた英文論文は国際査読誌へと投稿中であり、すでに条件付き掲載状態である。
研究3はまだ予備的研究状況であり、今後シミュレーションの内容を詰め,論文としてまとめていく状態であり,これは当初の計画通りである。
研究4の理論研究だけは,期待された結果を数理的に証明することに苦戦しており,やや遅れている。

今後の研究の推進方策

研究1、2については結果の公開までも含めてほぼ終了状態であるので,研究3、4に集中して行っていく。研究3の留保価格の効果については予定通りに進んでおり,次年度中にコンピュータシミュレーションによる分析を行い論文としてまとめる。数理的証明に苦戦している研究4についても,コンピュータシミュレーションによる分析に切り替え,結果をまとめていく。

次年度の研究費の使用計画

研究3、4はコンピュータシミュレーションがメインとなるので,そのための専用計算機の購入や研究補助者への謝金の支払いなどを予定する。そのほか,英文論文の英文校正費用や共同研究者との打ち合わせのための旅費なども必要である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 政治経済学への数理的アプローチ,第三章「キーワードオークションに関する理論・実験研究」2013

    • 著者名/発表者名
      上條良夫
    • 総ページ数
      32
    • 出版者
      勁草書房

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公開日: 2014-07-24  

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