研究成果の概要 |
ピグー厚生経済学体系の一翼をなすピグー財政論を研究した。具体的には、①20世紀前半の社会変動(社会保障の発展や両大戦)との関係、②租税や公債に関する彼の理論分析、③厚生経済学体系の中での位置づけ、を精査した。その結果、以下のことが明らかになった。 ①ピグー『財政学』各版(初版1928, 第2版1929, 第3版1947)の比較から、彼の財政論が当時の社会変動に応じて展開していることが分かった。②同書の精査により、彼の財政理論が従来より明確化された。③同書の第3版・第3編は、ピグー雇用論・公共事業論の完成形態である。 なお、ピグー『財政学』第3版の邦訳が順調に進み、2017年の出版予定である。
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