研究課題
本研究の目的は、ベイズ統計モデリングに基づく技術進歩の時系列解析法の開発とその応用である。従来の生産関数アプローチでは、便宜的に「期間全体を通して技術進歩率は正の一定値である」といった仮定をおく場合が多い。これは「技術水準が指数的に上昇する」というモデル上の制約を課すことを意味する。しかし、技術進歩が実際にそうした単調な動きを示すとは限らず、柔軟性を欠いたモデリングといえる。本研究では「技術水準が非単調な振る舞いをしつつ、比較的緩やかな変化パターンを示す」と想定し、時変効率パラメータに平滑化事前分布を導入した。このように柔軟性を備えたモデル設定のもとで、技術進歩の複雑な挙動を捉えることが可能となる。これまでの研究成果から、単純なトレンドを想定した従来の生産関数モデルでは技術進歩の挙動を的確に把握できないことが明らかとなった。つまり、本研究は従来の生産関数アプローチの困難をある程度克服することに成功した。ただし、技術水準には時としてトレンドに急な変化が生じうるので、そうしたケースを扱うには平滑化事前分布の導入だけでは不十分である。この点に関するモデルの改良は今後の課題として残った。
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