研究課題/領域番号 |
23730213
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
各務 和彦 千葉大学, 法経学部, 准教授 (00456005)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
キーワード | 空間モデル / マルコフ連鎖モンテカルロ法 |
研究概要 |
本年度は"Spatial patterns of flypaper effects for local expenditure by policy objective in Japan: A Bayesian approach","Estimating national business cycle turning points from regional data with hierarchical Bayes model'',"Why do municipalities recycle using Bayesian panel spatial autoregressive probit model"の3編を作成し,データ数が大きくなったときの推定方法の検討を行った。空間モデルにおいてデータの数が大きくなったときには推定に時間がかかったり,推定が困難になることが知られている。同時に時空間データになったりいくつもの方程式を同時に推定することになっても同じ問題が生じる。このような問題のあるデータに対して実証分析を行うことができたことは大きな貢献であると考えている。中でも,"Why do municipalities recycle using Bayesian panel spatial autoregressive probit model"は市町村データを扱っており,データの数が大きくなった場合の推定結果として,一定の成果があったと考えている。なお,これらの研究成果は国内外の研究集会で報告されており,今後さらに精緻化を進めていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
"Why do municipalities recycle using Bayesian panel spatial autoregressive probit model"においては市町村データを扱っており,大規模空間データの1つとして実証分析を行うことができたことは一定の成果だったと考える。また,時空間データになったりいくつもの方程式を同時に推定するといった問題にも直面し,それらに対してアプローチしていることで,新たな方向性も見出している。それらの問題にアプローチした論文は,"Spatial patterns of flypaper effects for local expenditure by policy objective in Japan: A Bayesian approach","Estimating national business cycle turning points from regional data with hierarchical Bayes model''であり,いずれの論文も国内外を問わず,研究集会等で発表を行い,今後の論文改善の方向性を見出しているので,おおむね順調に研究は進行していると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
前年度も進めてきたことを継続し,研究結果を国内外を問わず,学会や研究集会で発表して,広く意見を求め,より精緻な実証結果にしていくことにつとめる。具体的には国内の学会として,日本経済学会,統計関連連合大会,日本地域学会,応用地域学会,日本応用経済学会などを考えている。海外の学会としては,Econometric Society European Meeting,6th Japanese European Bayesian Econometrics and Statistics (JEuBES)などを検討している。さらに,京都において開催されるInternational Society for Bayesian Analysis(ISBA)の世界大会での報告を考えている。そして,これまでの研究成果をまとめて,海外のジャーナルに投稿する予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度は国内外を問わず学会報告を考えているので,旅費としての使用を予定している。また,Japanese European Bayesian Econometrics and Statistics 6(JEuBES 6)の開催を予定しているので,研究集会開催費としての使用も予定している。そして,研究を進める上で,参考文献を準備する必要がでてくると考えられるので,書籍の購入にも使用する予定である。英語論文のジャーナルへの投稿にあたっては英文校正等の投稿準備にも使用する予定である。
|