本研究ではコンパクトシティ構想を取り上げ、同構想がどのような影響をもたらすかを定量的に分析した。それと同時に、都市に関する社会制度をどのように変更すれば、都市のコンパクト化が促進できるのかを検証した。その結果、温室効果ガス抑制にはつながるものの、交通事故や犯罪の増加等のマイナスの影響ももたらされることが確認された。したがって、温室効果ガス抑制にとってコンパクトシティ構想は効果があるものの、同時に社会にとってマイナス要因ももたらすといえる。また、都市のコンパクト化を促進するには、固定資産税等の都市計画を変更することでも可能であることがわかった。したがって、都市をコンパクト化する際に、都市に関する制度設計の変更も重要であるといえる。
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