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2012 年度 実施状況報告書

社会階層と差別:信念・価値観および地位選好に関する定量分析

研究課題

研究課題/領域番号 23730237
研究機関広島大学

研究代表者

伊藤 高弘  広島大学, 国際協力研究科, 准教授 (20547054)

キーワード社会階層間格差 / 教育投資 / 主観的教育収益率 / 地位選好 / インド
研究概要

本年度は、本研究の一つ目のテーマである「社会階層間の教育格差に関する研究」を更に進展させ、また二つ目のテーマである「社会的地位に対する選好に関する研究」について調査の準備を進めた。
一つ目のテーマに関して、具体的には、インド・ビハール州農村調査データを用いた分析を論文としてまとめ、開発経済学の国内主要学会の一つである、アジア政経学会(2012年10月14日、関西学院大学)にて報告を行った。この研究は、その後更に改訂を重ね、2013年夏に出版予定である『南アジアの教育発展と社会変容(仮)』に収録される章の一つとして発表されることになっている(章の題名は「初等教育の就学における社会階層間格差:ビハール州農村の事例から」である)。
このテーマに関しては、社会階層間における教育格差の要因を更に詳しく分析するために、2~3月にインド・タミルナードゥ州農村において追加調査も行った。調査項目の一つに、人々の主観的な教育の収益率を尋ねた質問があり、教育投資の収益率に社会階層ごとで大きな違いがあるのかどうか、そして主観的な教育収益率が人々の実際の教育投資行動に影響を及ぼしているのかどうかを明らかにすることを目的としている。現在、鋭意、調査データのクリーニング作業を行っている段階である。
二つの目のテーマについては、社会的地位に関する選好についての先行研究を精読し、またこの分野における代表的な分析手法について学習し、本研究の分析の方向性を定めた。より具体的には、地位選好についての選択実験をデザインし、現地における調査に向けて、現在、質問票(実際には、ネットを用いた調査サイト)を作成中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度実施した「社会階層間の教育格差に関する研究」に再調査の必要性が生じており、今年度はインド・タミルナードゥ州農村にて追加の調査を行った。このため、時間的な制約から今年度実施予定であった「社会的地位に関する研究」の調査を実施することが出来きず、全体的な研究計画からはやや遅れていると判断される。

今後の研究の推進方策

本研究の一つ目のテーマである「社会階層間と教育格差に関する研究」については、データのクリーニングを早期に終了させ、年度の前半までには最終的な分析を終了させ、論文としてまとめる予定である。
二つ目のテーマである「社会階層と地位選好の関係に関する研究」については、遅くとも秋までには調査を終了させ、データのクリーニング、分析を完了させ、出来うる限り早い時期に論文としてまとめる予定である。

次年度の研究費の使用計画

次年度は、地位選好に関する選択実験の支出に予算の多くを充てることになる。現時点での予定としては、調査のための旅費に40万程度、調査謝金(調査補助、翻訳、調査用プログラムの作成、データクリーニングなど)に50万程度を考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Why Has the Fraction of Contingent Workers Increased? A case study of Japan.2013

    • 著者名/発表者名
      Hirokatsu Asano, Takahiro Ito, and Daiji Kawaguchi
    • 雑誌名

      Scottish Journal of Political Economy

      巻: Forthcoming ページ: 1-50

    • 査読あり
  • [学会発表] 教育の期待収益と教育投資―インド・ビハール州農村家計のデータを用いた分析より2012

    • 著者名/発表者名
      伊藤高弘
    • 学会等名
      アジア政経学会
    • 発表場所
      関西学院大学
    • 年月日
      2012-10-14

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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