研究課題/領域番号 |
23730240
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
中澤 純治 高知大学, 教育研究部総合科学系, 准教授 (30346704)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 地域産業連関表 / 産業連関分析 / Non-survey法 / 特化係数 / 地域供給係数 |
研究概要 |
市町村などの小地域レベルにおける地域産業連関表の推計には、しばしばNon-Survey法が利用されるが、これら手法の有効性については、未だ体系的に検証されていない。本研究では、日本のデータを適用した場合、(1)どのNon-Survey法が有効なのか?、(2)どのような条件(地域特性、産業特性、地理特性等)においてNon-Survey法が有効となるのか?について、都道府県産業連関表及び地域産業連関表のデータを用いて検証を行うことを目的としている。 日本においては本研究のようなNon-survey法の有効性を巡る基礎的研究は現在のところ行われていない。既存研究では、単一地域においてNon-survey法の有効性を検証をする方法論が主流であったが、この方法論では、対象地域が変ると、これまでの既存研究で明らかとなった結果が、新しい対象地域に適応できるかどうかは分からないという課題があった。本研究では、現在利用可能な47都道府県および9地域の全てを評価対象としてNon-survey法の有効性の検証を行い、検証結果の普遍性を担保している。また、Non-survey法が効果的に利用できる特性を明らかにすることで、地域特性に見合ったNon-survey法の選択が可能となり、ますます重要度が高まると考えられる小地域レベルの産業連関表の推計に際して、推計コストを削減し、かつ推計精度を現状よりも飛躍的に向上させることが出来ると考えられる。 本年度は研究実施計画に基づき、(1)47都道府県地域産業連関表データベースの構築、(2)9地域産業連関表データベースの構築、(3)構築を行った9地域産業連関表データベースを用いた広域地域レベルにおけるNon-Survey法の有効性の検証、(4)日本におけるNon-Survey法の利用実態調査(高知県梼原町、北海道下川町、京都府舞鶴市、高知県)、(5)学会報告(日本地域学会)を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画に基づき本年度の以下の5項目を実施した。(1)47都道府県地域産業連関表データベースの構築(47都道府県、1990年、1995年、2000年、2005年、産業中分類)(2)9地域産業連関表データベースの構築(経済産業局、1990年、1995年、2000年、2005年、産業中分類)(3)構築を行った9地域産業連関表データベースを用いて、第1段階として広域地域レベルにおけるNon-Survey法の有効性の検証を行う。(4)日本におけるNon-Survey法の利用実態を調査することによって、利用に伴う問題点の整理を行う。(5)研究の成果は、毎年、環太平洋産業連関分析学会等にて報告を行う予定である。 (1)については、データ等の制約から70%程度の進捗率である。(2)については概ね完成している。(3)については、現在、検証作業を進めており、2012年度環太平洋産業連関分析学会で報告予定である。(4)については、当初の計画以上の地域でのヒアリング調査を行うことができ、地域産業連関表作成時の移輸出・移輸入の推計課題についてまとめることができた。(5)については、本年度は日本地域学会(第48回、和歌山大学)において学会報告を行い、中村良平・中澤純治・松本明「木質バイオマスを活用したGHG 削減と地域経済効果:地域産業連関モデルの構築と新たな適用」(日本地域学会報告論文)和歌山大学、2011年10月において、研究で得た知見を盛り込むことができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は「データベースの構築((1)都道府県、(2)広域地域)」と「Non-suevey法の有効性の検証((1)都道府県、(2)広域地域)」の2つから構成される。データベースの構築((1)都道府県、(2)広域地域)と、「Non-suevey法の有効性の検証((1)広域地域)」については平成23年度に実施する。「Non-suevey法の有効性の検証((2)都道府県)」については、平成24年度に実施する。平成25年度は、上記の結果をふまえTykkylainen(2010)の分析方法を用いて、どのような条件(地域特性、産業特性、地理特性等)においてNon-Survey法が有効となるのかについて明らかにする。さらに、これまでの研究成果をまとめ、日本における地域産業連関表の推計にかかるNon-survey法の有効性について、実証的・理論的構築を行い、総括する。具体的には、以下の5項目となる。(6)構築を行った47都道府県地域産業連関表データベースを用いて、第2段階として都道府県レベルにおけるNon-Survey法の有効性の検証を行う。(7)上記(5)(6)の結果から広域地域レベルにおいては、どのような条件(地域特性、産業特性、地理特性等)においてNon-Survey法が有効となるのかについて検証を行い、Non-Survey法ごとの利用可能条件について検証を行う。(8) (5)(6)(7)の結果から都道府県レベルにおいては、どのような条件においてNon-Survey法が有効となるのかについて検証を行い、Non-Survey法ごとの利用可能条件について明らかにする。(9)これらを踏まえ、日本における地域産業連関表の推計にかかるNon-survey法の有効性について、実証的・理論的構築を行い、総括を行う。(10)国内外の研究協力者との意見交換によって研究精度の向上につとめる。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該研究費が生じた状況については、主として(1)47都道府県地域産業連関表データベースの構築(47都道府県、1990年、1995年、2000年、2005年、産業中分類)が、都道府県からのデータ収集および産業分類の調整作業の遅れから2011年度に完成に至らなかったためである。この部分に関しては、当該目的のために使用し、2012年度の6月の完成を目指す。 次年度の研究費の使用計画については、概ね申請時の研究実施計画に基づき実施する。具体的には、以下の3項目である。(6)構築を行った47都道府県地域産業連関表データベースを用いて、第2段階として都道府県レベルにおけるNon-Survey法の有効性の検証を行う。(7)広域地域レベルにおいては、どのような条件(地域特性、産業特性、地理特性等)においてNon-Survey法が有効となるのかについて検証を行い、Non-Survey法ごとの利用可能条件について検証を行う。(8)国内外の研究協力者(国内:大学研究者、民間シンクタンク、高知県統計課、四国経済産業局統計課等、海外:Tykkylainen博士、ヨーエンス大学、フィンランド)との意見交換によって研究精度の向上につとめる。さらに、国外での情報発信を強化するために、上記に加えてInternational Institute for Applied System Analysis(Austria)でのセミナー開催を2013年2月に計画している。
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