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2011 年度 実施状況報告書

長期的な出生率推移の決定要因に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23730241
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

木村 匡子  名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 講師 (90546730)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード世代重複モデル / 出生率
研究概要

平成23年度は、出生率の歴史的な推移を量的にも説明することができるモデルの基礎を完成させるために、次のようなことに取り組んだ。 第1に、性差を組み込んだ二部門世代重複モデルの拡張を行った。出生率の変動に影響を与える幅広い要因をモデルに取り込むことができるように、モデルを多期間化し、さらにいくつかのパラメータが時間を通じて変化するようにした。その結果として、以前のモデルでは評価できなかった短期的な外生的要因の貢献について分析を進めることができるようになった。一方で、モデルの複雑化や外生変数の増加のため、以前と同様の方法でカリブレーションを行うことが困難になった。この問題を解決するため、計算プログラムの効率化を進めるとともに、関連する歴史資料やデータの調査を行い、実行可能な他のカリブレーション方法についての検討を進めた。 第2に、長期的な出生行動の変遷について、マクロ・データとミクロ・データの両方と整合的な経済成長モデルを構築し、シミュレーション分析を行った。このモデルは、前近代から現代までの長期に渡る出生率の推移と同一社会内での所得と子ども数の関係の変化を公共政策の存在とその変化によって説明しようとするものである。17世紀から現在までのイギリスの歴史データを収集し、それを用いたシミュレーション分析を行った結果、(1)出生率が逆U字型を描いて推移したこと、(2)前近代において成立していた家計間の所得と子ども数の正の関係が現代において消滅したこと、などを再現することができた。基本的な分析は終了し、その成果を日本経済学会秋季大会の特別セッションで発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

多期間化などモデルの基本的な拡張はほぼ完成し、いくつかの予備的なシミュレーション分析を行うことができた。データ収集については当初は中進国を対象とする予定だったが、マクロ・データとミクロ・データの両方が必要になったため、イギリスを中心に資料の調査やデータの収集を行い、必要な情報の多くを手に入れることができた。

今後の研究の推進方策

多期間化した性差を組み込んだ二部門世代重複モデルを使ったシミュレーション分析については、現在検討しているカリブレーション方法を完成させた上で、出生率変動に関する諸仮説の量的な評価を行い、結果をまとめる。 イギリスを対象とした超長期のシミュレーション分析については、ほぼ完成しているので、早い段階で論文を査読雑誌に投稿する。

次年度の研究費の使用計画

分析を精緻化するために必要になる資料の購入や研究成果の発表を行うための旅費・英文校正料・投稿料が主な使途である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Public Policy and Incom-Fertility Relationship in Economic Development2011

    • 著者名/発表者名
      安井大真・木村匡子
    • 学会等名
      日本経済学会秋季大会特別セッション
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      2011年10月30日

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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